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TOPICSTOPICS

シャントの種類

2019年9月15日

シャントには自分の動脈と静脈を直接つないで作製した自己血管内シャントと、動脈と静脈を直接ではなく人工血管を介してつないだ人工血管内シャントがあります。
以下それぞれについて説明します。

自己血管内シャント

シャントの9割以上は自分の血管のみで作製する自己血管内シャントです。手首の近くにある橈骨動脈と橈側皮静脈という血管をつないで作製することが多いですが、血管の状態によって様々な組み合わせがあります。
透析を行うために、十分な発達が見込め、なおかつ刺しやすいシャント血管になる組み合わせを、手術前に血管エコーなどを行って詳細に検討します。
自己血管内シャントは良好な発達をすれば長期使用が可能であり、感染にも強いため第1選択として作製されます。

人工血管内シャント

患者さん自身の静脈が細い、針刺しが可能なところに無いなどの理由で自己血管内シャントが作れない場合は、深い場所にある静脈などを利用して人工血管内シャントを作製します。
図のように動脈と静脈を直接ではなく人工血管を介してつなぎます。その人工血管を針刺しが可能な浅いところに通し、針を刺して透析を行います。針刺し、止血が比較的容易ではありますが、自己血管内シャントと比較して閉塞や感染のリスクが多いことが問題となります。

シャントの作製が難しい場合①
上腕動脈表在化による
バスキュラーアクセス

上腕動脈は腕の肘関節より上(中枢側)にある太い動脈で、直接針を刺すことができれば十分な血流を取ることが可能です。しかし、上腕動脈は厚い筋膜の下の深い場所を走行しており、また大事な神経も近くにあるため、反復して針刺しを行うには危険が伴います。そこで、上腕動脈を筋膜の上の浅い場所へ移動させる手術を行うことで、透析時の反復穿刺が可能になります。

シャントの作製が難しい場合②
カテーテルによる
バスキュラーアクセス

カテーテルを用いた透析では、頚部や大腿の付け根の静脈からカテーテルを挿入し、先端を大静脈や心臓の中に入れることで十分な血流を取ります。
1~2週間の使用を目的としている短期留置型カテーテルと、患者さんによっては年単位で使用することも可能な長期留置型カテーテルがあります。カテーテルでの透析は、接続のみで治療ができるので穿刺痛がありませんが、体外にカテーテルが出ているため、感染の危険性が高まり、また抗血栓性に劣るため閉塞しやすい欠点があります。