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バスキュラーアクセスについて

2019年9月15日

透析治療では、チューブを介して患者さんと透析装置がつながっており、患者さんの血液を透析装置で浄化し、患者さんに血液を返すという一連の行程を同時に行っています。その透析回路と患者さんをつなぐ、患者さん側の部分をバスキュラー(血管の)アクセス(接続)と言います。
バスキュラーアクセスにはいくつか種類がありますが、最も代表的なものが内シャントであり、ほとんどの透析患者さんが内シャントで透析を行っています。
透析治療でのシャントとは、動脈と静脈をつなぎ、動脈の血液を静脈に流し込むことを指します。そうして出来上がった新しい血管をシャント血管と言います。
皮膚の下で動脈と静脈をつないだものを内シャントと言い、皮膚の外でつないだものを外シャントと言います。現在では、外シャントは作製しないため、シャントと言えば内シャントを指します。

透析治療において
なぜシャントが必要なのか?
透析治療では、1分間に約200mlの血液を抜いて透析装置で浄化し、同じ量の血液を体へ返します。しかし、1分間で200ml採血できる血管はなかなかありません。
献血の際は、太い針で肘の太い静脈に刺して採血を行いますが、400ml採血するのに10~15分かかります。平均的な透析治療では毎分200mlを4時間抜き続けるので、その血液量の多さが分かって頂けると思います。
それを可能にする血管は、静脈なら心臓に近い大静脈であり、動脈であれば肘関節付近の上腕動脈などがあります。しかし、大静脈にアプローチするためには、首や大腿の付け根にある太い静脈から長めのカテーテルを挿入する必要があり、また上腕動脈を使用するためには、筋膜を貫いて神経を避けて針を刺す必要があるため、どちらも容易な作業ではありません。
透析治療は1週間に3回行うのが一般的なので、これらの血管に毎週3回針を刺すのは現実的ではありません。そのため、皮膚から浅く刺しやすい場所に十分な血流が取れる血管が必要となり、それを可能にしてくれるのがシャント血管です。

シャント血管は動脈の流れを静脈に流し込むため、動脈の血圧がかかり太く発達します。さらに、皮膚表面の静脈に動脈をつなぐことで、発達し刺しやすくなった太い静脈=シャント血管が出来あがるのです。良いシャント血管は毎分700~1000ml近い血流が流れているため、静脈というよりも太い動脈が腕の表面にあるイメージです。

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